心臓病を予防する筋力体操

心臓は血液を全身に送り届けるためのポンプ役として片時も休まずに働いていますが、足の筋肉も「第二の心臓」といわれ、心臓の助っ人としての役割を果たしています。心臓から送り出された血液は体の中を一巡して心臓に戻りますが、体の上部に回った血液は、重力の助けもあって比較的らくに心臓に戻ります。しかし、下半身に送られた血液は、重力に逆らって上がってこなければならないため、かなりの重労働になります。そこで、足の筋肉の「ミルキングアクション」といわれる働きがそれを助けているのです。このミルキングアクションとは、足の筋肉が血管のまわりで乳絞りをするように収縮と弛緩を繰り返す動作のことで、それにより血液を上へ上へと押し上げていくのです。したがって、足の筋肉を動かさないでいると、その分だけ心臓の負担が増して心臓のトラブルや病気が起こりやすくなるのです。そこで今回は主に足の筋肉を使う筋力体操をご紹介しましょう!

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〔その場歩き運動〕
 やさしすぎると感じるものですが、毎日続けていると、全身の血行をよくする効果が大きい運動です。
〔やり方〕
@背筋を伸ばし肩の力を抜いて立つ
Aその姿勢を崩さないようにして、イチッ、ニイッ、サンッと三十数えるまでその場で足踏みを繰り返す。
Bそのあと、太ももが床と平行になるくらい高く上げ、腕も大きく振って足踏みする。これは体が汗ばむ程度まで続ける
C体が温まったら足踏みの高さを低くし、手の振りも小さくして徐々に動きを止める
D最後に深呼吸をして呼吸を整える
※やってみると意外に大変な運動で、だんだん足を上げるのがきつくなってきます。最初は休みながらでもかまいませんが、体力に自信ができてきたら、手足の動作を大きく、リズミカルに行ってください。また足踏みはその場で行うようにし、前には進まないこと。
〔ヘビーハンズでの前屈・後ろ反らし〕
 なにも負荷をかけずにその場歩きをしたあと、さらに体力に余裕がある人は、ヘビーハンズを使っての手足の筋力強化運動をすることをおすすめします。
 大腿四頭筋のミルキングアクションを促すのによいのは前号でご紹介したヘビーハンズ・スクワット・フルレンジ (ヘビーハンズを両手に下げてスクワットをする運動)がおすすめです。
 このあと、ヘビーハンズを持ったまま太ももやふくらはぎをはじめとする足全体、胸、背中、おなかなど、体全体に対して幅広いストレッチング効果がある前屈・後ろ反らし運動を行いましょう。
〔やり方〕
@両手にヘビーハンズを持ち、足を肩幅程度に開いて立つ
A顔は前方を見るように上げたまま前屈
B元の姿勢に体を戻してから、ヘビーハンズを下げたまま体を後ろに反らす。
※その場歩きや、ヘビーハンズを使ってのスクワット運動を行ったあと、この前屈・後ろ反らし運動で収縮した筋肉を、その日のうちにしっかりほぐしておきましょう。
 心臓病をはじめとする循環器系の病気予防の筋肉運動は、なるべく毎日、連続して行うことで成果が上がりますが、そのためにはこのようなストレッチ効果のある運動を組み合わせ、筋肉の疲労を翌日に持ち越さない注意も大切です。


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