半永久接点導通剤 カーボンダイヤトニック ”SETTEN bP”

1999年12月1日ごろ書いたはず

■ 出会いについて

 インターネットにて『99年7月恐怖の大王来襲』がどう言い訳されているか調査分析中に遭遇した製品。 製造元の「熱研」は化学工業系のベンチャー企業のようだ。

オイルの中にカーボンとダイヤの粉末を混ぜたものらしい。 マニキュア大(5cc)で定価は4200円也。 市場価格は定価〜80%であった。
なんでも、接続端子の電気的な接触部分にマニキュアを塗るように湿布し、強く圧着すると音が良くなるという話だ。なにを持って良くなるかというと、このオイルは圧着された接点で初めて電気が導通し、プラグ間の接触時の信号減衰が極めて少なくなる為、高域が清み定位(音の位置)がはっきりするとのこと。 

電気の接触部分では全てに使えるらしく、ビデオやアンテナの端子、コンピュータの各接続端子など「なんでも来い!」状態。

たしかに、減衰が少なければ高域が微弱な音量でも聞こえる為、残響が増えつつもクリアに聞こえる現象は以前、体験したことがあるので理解はできる。
高音域は音の発生する方向が特定しやすいので、「定位がはっきりする」というのも同じであろう。
圧着して初めて電気が通る特性なので、プラスとマイナスの端子にベタッと着いてもショートせず、しかも人畜無害。 赤ちゃんの居る家庭では気になるところだ。 しかも一度湿布すると、効果は半永久的らしい...?
 (ほんとかな? 会社設立は96年のはずだが...) まぁヨシとしよう。
まさに夢のような逸品だ。

自作オーディオ関連のホームページを見ると、極めすぎてイッちゃってる人にユーザーが多いようだ。

市場価格も通販でちょっと高いCDくらいなので、思い切って購入。 私なりのABテストを行い結果をレポートすることにした。
新製品に導通素材が8倍も含有された 「SETTEN Pro \8,000-」もあるらしいが、今回は購入見送り。
SETTEN No1により特段に高価な音響機器でなくとも、製品の性能をフルに引き出せるなら安い買い物となるであろう。

さぁ!これで我が家のビデオデッキやご自慢の中古レコーディングシステムがワンランクアップするのか。 それとも「遠赤外線系商品」のように購入後フェードアウトするのか。

■ 製品情報

製造元:株式会社 熱研
カーボンダイヤトニック SETTEN No1 定価 \4,200-
※熱研のホームページはネットスケープVer4.1ではJavaでエラーが表示されるが、IEではスムーズに閲覧できる。

購入先:逸品館
メンテナンスレポートは一見の価値あり。 通販価格も明確だしメールの問い合わせに対しても丁寧な対応だ。 行ったことない店だが好印象

■ テスト環境

実験前後が湿布以外の条件でまったく同じにするためコンピュータ音楽をデジタルレコーダーに録音し、湿布前後をそれぞれ録音し比較することとした。
音声波形ソフト等は使わずに、耳の感覚のみで評価を行う。

○シーケンサー IBM Aptiva & Cakewalk ProAudio7
○音源 Roland JV-1010
○プリアンプ APHEX 107
○コンプレッサー VESTAX SL201mk2
○イコライザー APHEX 109
○録音機 Roland VS880
 レコーディングモード:マスタリングモード(非圧縮)、MT2(入力を37%に圧縮)
○モニター SONY SMS-1P

上記機器を数珠つなぎに接続する。 音源から録音機までの接点は8つ。

楽曲:エディロール社製 SMFデータ /アースウィンド&ファイヤーベスト! (^v^)

■ 実験開始1

真空管の機材も接続経路に含めてのテストなので、電源投入後1時間経過して真空管が安定してから録音テストを行う。
いつものごとくツラツラと終了。 録音が終了したら、ツマミ類は動かさない。

■ ここでカーボンダイヤトニック登場


容器はマニキュアと同じ。 オイル状で、黒い。 粘度は低い。 ピンコードやフォンジャックの接触部分に湿布。


■ 結果(聞いた感じのみ)※数値で残せませんでした。っていうか、数値比較の方法がわからん。


たしかに高音域が出てきた。 イコライザーで強調したようではなく、ちょうどケーブルを変えたり、スピーカーの向きを変更したときのような滑らかな変化である。 劇的ではないが、確実に変わった。 しかし変化幅は小さい。
波形ソフトは持ってないので、電気的な変化はどれだけ変化したのか解らない。
塗ったあと、ジャックが薄黒くなってしまうので、頻繁にジャックを差し替えする場所には向かないであろう。 いくら音が良くなっても、コタツの上での作業中に指先や器材が汚れるのはイヤだ。
ここでは赤ちゃんもウロウロしているので、粉末を溶かしたオイルというのはなんとなく気になる。
今後は大切な録音を行う日に、使うであろう。

■ その他の場所に塗ってみよう


おすすめは、一度接続したらめったに変更しない場所だ。

(1)スピーカーの接続線
  自宅のモニタースピーカ SONY SMS-1Pの裏ブタのネジを外し、
  裏ブタを開ける。
  内蔵されているパワーアンプ基板から、スピーカー端子までの
  約15cmほどのケーブルの両端の接点に湿布。
  内部のスピーカー結線はハンダ付けではなく、圧着端子にて
  接続されている。 10分ほどで終了。
  強烈な変化はないが、ややクリアになった。

(2)カーステレオに使ってみよう

  ケーブルの交換とあわせて行った為、一番効果があった。

  愛車ムーブCLロマンポルシェ号のクラリオンカーステレオは
  本体とスピーカーまでは圧着端子で接続され、
  スピーカーケーブルはこれ以上無いというくらい細い。
  これを市販の電気コード用ケーブル(1m/¥100)に交換し、
  圧着端子の接点にカーボンダイヤトニックを湿布。
   これにより、息継ぎ音などの高音が伸びて、シンバルの
  カップ(中心部分)打ちが耳に刺さらなくなった。
  ちなみにデッキ、スピーカー共に純正品である。


(3)テレビとビデオデッキの接続に塗ろう

  地上波放送では、「なんとなくかなぁ〜」くらいの変化。
  NHKのBSではやや音と絵がクリアーになった。

  壁のアンテナ接続端子に始まり、ビデオ用分配器、ビデオ、
  テレビのアンテナ線接触部分、RCAピンコードすべてに湿布。
  湿布直前と直後に録画したテープを比較した結果、ノイズが
  減っているのを確認できたが、同じ画像ではないので、
  確証はない。

  ただ、「今の接続状態でベストなのだ」という安心感が大きい。(^v^)

■ 結論

 手持ち器材を一通り塗ったら、もう使わないと思うが、お勧めである。
 我輩のように、「もしかしてこのケーブルの音がいいかな? やっぱりこっちも捨て難いし、もう一度ジャックを磨いてテストしてみよう」 というような疑心暗鬼で作業をする者にとっては「どっちか迷ったけど、これを使ったら今以上にできないからOK」 という風に強制的に自分を納得させることができる逸品だ。

 ちょっと自信はないけど、高音は変わるよ。



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